大原・八瀬・比叡山エリア、日本京都観光ルート

大原エリア、比叡山の麓に広がる山里に寺院が点在、名物しば漬けに欠かせない赤しその生産地。京都市北東部。高野川沿いに国道367号を行くと、比叡山の西側の麓に山に抱かれるように里山の風景が広がります。ここが大原です。四季折々の美しさを見せるのどかな田園風景の中に、延暦年間(782‐806)に起源を持つ三千院や、聖徳太子が創建したとされる寂光院など、歴史ある寺院が点在しています。京都の三大漬物のひとつに数えられるしば漬けに欠かせないのが大原の赤しそ。大原で多く生産されているのは葉の周囲が縮れた「ちりめん赤しそ」で、香りや発色が良いのが特徴です。また、頭に薪などをのせて京のまちへ行商に出掛けていた大原女(おはらめ)も知られていて、その姿は時代祭の時代行列にも登場しています。

八瀬エリア、まちなかからも電車で訪れることができる、比叡山の緑に包まれた自然豊かなエリア。比叡山の麓、高野川の両側に集落が点在しているエリアで、地名の由来は、壬申の乱(天武天皇元年・西暦672年)の際、大海人皇子がここで背に矢傷を負ったからとも伝えられています。八瀬には、叡山電鉄の八瀬比叡山口駅があり、市内中心部からでもアクセスが便利。桜や紅葉に加え、山々の緑が鮮やかな初夏も美しく、四季の移ろいを気軽に満喫することができます。また、八瀬と比叡山山頂を結ぶ叡山ケーブル八瀬駅が比叡山口駅のそばにあり、ケーブルカーやロープウェイに乗れば、より自然を近くに感じる観光が楽しめます。

比叡山エリア、景色を楽しみながら、東山三十六峰の北端へ、山頂には世界遺産の延暦寺や美しい花々を観賞できるスポットも。京都市街から東を見ると、南北12キロに及ぶ緩やかな山々が目に入ります。この形状を「ふとん着て寝たる姿や東山」(服部嵐雪)と表現した句も有名。これらの山の総称が東山三十六峰で、北端に位置するのが比叡山。バスを利用して出かける際は、JR京都駅・京阪三条駅などから比叡山頂行きに乗車を。叡山電鉄、ケーブル、ロープウェイを乗り継いで行くことも可能です。いずれのルートも、自然豊かな景色を楽しめることも魅力。山頂では世界遺産の延暦寺を参拝したり、1500種10万株の花々を観賞できるガーデンミュージアム比叡に立ち寄ることもできます。

大原
大原は、京都府京都市左京区北東部にある地名。比叡山の北西麓、高野川上流部に位置する。大原盆地は四方を山に囲まれており、高野川に沿って若狭街道が通っている。かつて大原村は山城国愛宕郡に属し、南隣の八瀬と併せて「八瀬大原」とも称された。古くは「おはら」と読まれ、小原とも表記された。 大原という地名は平安期から見られ、平安時代初期に慈覚大師円仁が修練道場として開山した大原寺(だいげんじ、勝林院と来迎院の総称)に由来するとされる。比叡山の北西麓にあることから延暦寺の影響が強く、勝林院・来迎院・三千院・寂光院など多くの天台宗系寺院が建立された。平安時代の大原は平安京と若狭湾を結ぶ若狭街道の中継地点として栄えた。

三千院があるため、元々観光客が訪れる地域であったが、現在のように多くの観光客が訪れるようになったのは、1965年(昭和40年)に重唱団のデューク・エイセスが歌った「女ひとり」や、1972年(昭和47年)の大河ドラマ「新・平家物語」の影響が大きい。 花脊峠に接する大原百井町と皆子山から峰床山の麓に位置する大原大見町・大原尾越町は、2016年(平成28年)に京都丹波高原国定公園の指定地域となった。

日本画家の小松均は晩年に大原に移住し、大原の風景画を数多く残して「大原の画仙人」と謳われた。小松の死後の1990年11月2日には旧宅に小松均美術館が開館した。 重唱団のデューク・エイセスは1965年の曲「女ひとり」で大原を歌っており、歌詞には三千院が登場する。この曲はご当地ソングの先駆けのひとつである。 1996年にはイギリス出身のハーブ研究家であるベニシア・スタンリー・スミスが大原に移住した。2009年からはスタンリー・スミスに焦点を当てた『猫のしっぽ カエルの手 京都 大原 ベニシアの手づくり暮らし』がNHK BSプレミアムで放送されている。

八瀬
八瀬は、京都府京都市左京区にある地名。ここでは「八瀬」を町名に冠する京都市左京区の各町を包括する広域地名として用いる。 東に比叡山地、西に若丹山地に挟まれた渓谷に位置する。南北に八瀬川(高野川)が流れ、八瀬川に沿って敦賀街道が通る。

村伝によると、古来より八瀬は「矢脊」と称し、壬申の乱の折、この地で天武天皇が背中に矢傷を負ったという故事に由来するといわれているが、歴史学的な見地から否定されている。また、七瀬・余瀬・美濃瀬など、八瀬川には急な「瀬」が多いことから「八瀬」と称したともいわれる。延喜年中(901年 – 923年)より「八瀬」表記に改められた。

比叡山
比叡山は、滋賀県大津市西部と京都府京都市北東部にまたがる山。大津市と京都市左京区の県境に位置する大比叡(848.3m)と左京区に位置する四明岳(しめいがたけ、838m)の二峰から成る双耳峰の総称である。高野山と並び古くより信仰対象の山とされ、延暦寺や日吉大社があり繁栄した。東山三十六峰に含まれる場合も有る。別称は叡山、北嶺、天台山、都富士など。 比叡山は、滋賀県大津市の西南、滋賀・京都県境に位置する、標高848mの山である。古事記には淡海(おうみ)の日枝(ひえ)の山として記されており、古くから山岳信仰の対象とされてきた。

国土地理院による測量成果では、東の頂を大比叡、西の頂を四明岳、総称として比叡山としている。「点の記」では、東の頂に所在する一等三角点の点名を「比叡山」としている。この三角点は大津市と京都市の境に位置するが、所在地としては大津市にあたる。この一等三角点「比叡山」の標高は2014年5月に標高改算され848.1mとなった。なお、比叡山は、丹波高地ならびに比良山地とは花折断層を境にして切り離されているため、比叡山地、あるいは比叡醍醐山地に属するとされる。

京都側から見た場合、四明岳と大比叡をともに確認することができ、重量感のある印象である。だが、京都盆地から比叡山を見た場合、四明岳は確認できるが、大比叡の頂は四明岳に隠れてしまう。このときのバランスのとれた三角形の外観は、「都富士」ともいわれる。また、大比叡がみえない場合、四明岳を比叡山の山頂だと見なすことがあり、京福電気鉄道叡山ロープウェイにおいては、四明岳の山頂をもって比叡山頂駅と設定している。

比叡山の山頂からは、琵琶湖や京都市街のほか、比良連峰などの京都北山も眺めることができる。また条件が良ければ、長野県と岐阜県の県境にある御嶽山を望むことができる。山の東側には天台宗の総本山である延暦寺がある。また、山頂の北の「奥比叡」は「殺生禁断」とされているため、貴重な野生動物や植物の姿を確認することができ、特に、鳥類の繁殖地として有名である。なお、真夏の京都市内と比叡山の山頂近くとでは、気温が5、6℃違うという。

有料道路や路線バス、ケーブルカー、ロープウェイで山頂まで行けるため、休日には観光客が多く訪れる。叡山ケーブルのケーブル比叡駅の中間広場(ケーブルカーとロープウェイの乗り継ぎ広場)では、毎年8月ごろに、京福電気鉄道の運営で、「比叡YAMAのビアガーデン」が開催される。お盆等には夜間営業が行われることもある。 かつては比叡山頂遊園地と比叡山人工スキー場があったが、それぞれ2000年(平成12年)、2002年(平成14年)に完全閉鎖され、山頂遊園地の跡地は美術館「ガーデンミュージアム比叡」、スキー場の跡地はコスモス園になっている。また、京都側のふもとの八瀬にはスポーツバレー京都(森のゆうえんち)もあったが、こちらも2001年(平成13年)11月30日に閉鎖された。跡地にはリゾートトラストによって、会員制リゾートホテルが建てられた。

観光スポット

叡山ケーブル
カーブあり、急傾斜ありの叡山ケーブルは全長1.3km。高低差は日本一の561mで、その間を所要時間9分で結んでいます。京都市内の絶好の展望が楽しめるほか、春は桜、秋は紅葉が路線のそばを彩ります。15分~30分間隔で運行。 ケーブル終点から比叡山頂まではロープウェイで約3分の空中散歩がお楽しみいただけます。ふもとから山頂まで10数分間の便利さ。

皆子山
北山連峰の最も東にある。標高971.5メートル、京都市域の最高峰。登りはきつい。安曇川源流をさかのぼって京都に戻り、安曇川本流を離れ寺谷の急坂から稜線を経て頂上。山名は日本山岳会京都支部の故今西錦司顧問が名付けたという。旧名は霞ヶ嶽とみられる。

静原キャンプ場
児童・生徒を対象に、基礎的な野外生活をとおして集団生活指導及び野外学習を行う教育キャンプ場。

名所・旧跡

三千院庭園
三千院の聚碧園は量感豊かな皐月の刈込が美しい。有清園には国宝の阿弥陀三尊を納める単層入母屋造り、柿葺きの往生極楽院が建つ。庭一面の苔も見事。一年中四季折々の花が楽しめる。

古知谷のかえで
左京区古知谷の阿弥陀寺境内、参道南側にあるカエデ科のタカオカエデ。タカオカエデとしては、希に見る巨樹で幹に多数の支根がからみつく特異な形状を示している。紅葉の名所の古知谷で最も大きく、寺創建当時からの古木。白蛇が棲んでいるとの伝承もある。市指定天然記念物。

宝泉院庭園
宝泉院の庭園は、竹林越しに大原の山並みが美しい借景庭園。建物と自然が一体となり額縁庭園とも。客殿正面には樹齢 700年を越える巨大な五葉松。 宝泉院の庭内にあるマツ科のゴヨウマツ。ほぼ平面になる日本庭園の南部一帯を占める。樹高は11m、枝張りは南北11.5m、東西14mでほぼ扇形の樹冠をしている。樹形が極めて優れており、樹勢も旺盛で五葉松の大木として貴重。市指定天然記念物。

寂光院庭園
寂光院の庭園は心字池又は汀の池、千年の姫小松、苔むした石、汀の桜等、平家物語当時の面影を残している。北庭園は、四方正面の池がある回遊式庭園で林泉木立、水清き池で古き幽翠な名作の庭である。三段の滝は玉だれの泉水といい、高さ角度とも絶妙なバランスがとれ、そのひびきはそれぞれ異なった音色が一つに合奏しているようである。

実光院庭園
実光院の庭園は、「契心園」という(旧普賢院庭園)客殿の南に広がる地泉鑑賞式の庭園と客殿の西側一帯にある(旧理覚院庭園)地泉回遊式庭園で構成されている。客殿では抹茶をいただきながら、滝口の蓬莱石組、築山の五重の石塔が石垣と調和し立体感あふれる景観が楽しめる。また、庭の西北隅には、茶室「理覚庵」があり、他に四季を通じて楽しめる茶花がたくさん植えてある。特に、庭の中央にある不断桜は例年初秋より翌年の春まで花を咲かせる珍しいものである。

修学院離宮
明暦2年~万治2年(1656-59)後水尾上皇が比叡山麓に造営した広大な山荘。約54万5000平方メートルの敷地に上・中・下3つの離宮から構成され、いずれも数奇な趣向の茶亭等が閑雅にめぐらせた池の傍らに立つ。自然と建物の調和が絶妙。

瑠璃光院
磨かれた床や机に反射する紅葉が美しいことで知られ、春と秋の一般公開時には多くの人が訪れる。本願寺歴代門跡もしばしば訪れたと記録に残され、明治時代に公卿 三条実美が、「喜鶴亭」と名づけた庵が現存している。これを、大正から昭和の初めにかけて、延べ240坪の数奇屋造りに大改築するとともに、自然を借景とした名庭を造営。建築にあたった棟梁は、京数寄屋造りの名人と称された中村外二、築庭は佐野藤右衛門一統の作と伝わる。日本情緒あふれる名建築・名庭として多くの人々に親しまれ、囲碁本因坊位の対戦場となったことなどが知られている。

寺院・神社

峰定寺
貴船神社
幡枝八幡宮
大田神社
賀茂別雷神社
妙満寺
久我神社
補陀洛寺(小町寺)
実相院門跡
神光院
妙円寺
崇道神社
林丘寺
一様院
藤木神社
圓通寺
正伝寺
更雀寺
志古淵神社
法雲寺
三宅八幡宮
鞍馬寺
針神社
由岐神社
赤山禅院
蓮華寺

美術館・博物館

ガーデンミュージアム比叡
標高840mの比叡山頂の庭園美術館。1.7haの園内に1,500種10万株の花が咲き乱れるここガーデンミュージアム比叡は、フランスの設計者により2001年にオープンしました。 園内は6つの庭に分かれており、南仏プロヴァンスの丘陵をイメージした「香りの庭」、藤のからまる太鼓橋、睡蓮の咲く池など、モネの代表作『睡蓮』をイメージした回遊式庭園「睡蓮の庭」、シャクナゲが咲きそろう花の回廊「こもれびの庭」、藤棚と季節の草花に彩られた「藤の丘」、モネの自宅庭園をモチーフにした「花の庭」、6月中旬から10月頃まで途切れることなく様々な種類のバラを鑑賞することができる「ローズガーデン」があり、四季折々の花を楽しむことができます。また園内にはモネ、ルノワール、ゴッホなどフランス印象派画家たちの作品が陶板画として45点飾られて、季節ごとに表情を変える花々とともに、訪問者の心を魅了してくれます。

小松均美術館
大原の画仙人といわれた文化功労者の日本画家・故小松均の遺邸を美術館として開館した。大原風景、最上川、富士山の三大シリーズを中心に、初期から晩年までの大作を展示している。

行事・祭典

赦免地踊
泰山府君祭・端午大護摩供
星まつり
久多宮の町松上げ
秋季彼岸会
珠数供養
観音大祭 百味供法要
ぜんそく封じのへちま加持
大原女まつり
初午・大根焚き
新春八千枚大護摩供
左義長
祟道神社大祭
久多花笠踊 
不動大祭開闢採灯大護摩供