茶道芸術、東京国立博物館

茶道(さどう、ちゃどう)は、日本伝統の湯を沸かし、茶を点(た)て、茶を振る舞う行為(茶の儀式)。また、それを基本とした様式と芸道。

主客の一体感を旨とし、茶碗に始まる茶道具や茶室の床の間にかける禅語などの掛け物は個々の美術品である以上に全体を構成する要素として一体となり、茶事として進行するその時間自体が総合芸術とされる。

日本の代表的な伝統文化の一つである茶の湯の中で育まれた美術を紹介します。床に飾る掛軸、花入、また釜、水指、茶碗といった喫茶に関わる具足、さらに茶の湯の食事に用いられる懐石具などを取り合わせて展示します。今回は、盛夏の茶事をイメージし、涼を感じさせる作品を中心に展示します。

展示作品
手桶形茶器(ておけがたちゃき)
濃茶の後,薄茶の時は茶入に替えて,替え茶器を茶入として使う。特に評価の高い替え茶器がこの手桶形茶器で,江戸時代に五客揃って大阪鴻池家に伝来した。手桶形の姿が伸びやかで,蓮池にたたずむ白鷺の絵付が印象的な佳品である。

彫三島茶碗(ほりみしまちゃわん) 銘 木村(めい きむら)
慶長年間(1596-1615)初めに始まったと推測される朝鮮半島への注文茶碗の初期の作に、彫三島がある。15・6世紀の三島の作風をアレンジしたのが彫三島で、この銘木村は数ある彫三島の中でも一流の作風を示している。この茶碗は彫三島の中でも内、外に花文があり、とりわけ外に花文があるのが珍しいところから外花手とよばれる。微妙に入り交じる寂びたる釉薬と象嵌模様との対比が鮮やかで、全体におとなしい作風となっている

東京国立博物館

東京国立博物館は、わが国の総合的な博物館として日本を中心に広く東洋諸地域にわたる文化財を収集・保管して公衆の観覧に供するとともに、これに関連する調査研究および教育普及事業等を行うことにより、貴重な国民的財産である文化財の保存および活用を図ることを目的としています。

平成19年4月1日からは、東京国立博物館の所属する独立行政法人国立博物館と独立行政法人文化財研究所が統合され「独立行政法人国立文化財機構」が発足しました。新法人のもと貴重な国民的財産である文化財の保存及び活用を、より一層効率的かつ効果的に推進していきます。