サーモクロミズム

サーモクロミズムは、温度の変化によって色が変化する物質の特性です。 ムードリングはこの現象の優れた例ですが、サーモクロミズムは飲用に十分な冷たいときに異なる色に変化する哺乳瓶や、水が沸点またはそれに近いときに変化するケトルなど、より実用的な用途もあります。 サーモクロミズムは、いくつかのタイプのクロミズムの1つです。

有機材料

サーモクロマチック液晶
2つの一般的なアプローチは、液晶およびロイコ染料に基づいている。 液晶は精密な用途に使用されます。その応答は正確な温度に設計できますが、その色の範囲はその動作原理によって制限されます。 ロイコ染料は、より広範囲の色を使用することを可能にするが、それらの応答温度を正確に設定することはより困難である。

いくつかの液晶は、異なる温度で異なる色を表示することができる。 この変化は、異方性キラルまたはねじれネマチック相を介して低温結晶相と高温等方性液体相との間で変化するので、材料の結晶構造による特定の波長の選択反射に依存する。 ネマチック中間相のみがサーモクロミック特性を有する。 これは、材料の有効温度範囲を制限する。

ねじれネマチック相は、規則的に変化する配向を有する層状に配向した分子を有し、周期的な間隔を与える。 結晶を通過する光は、これらの層上でブラッグ回折を受け、最大の強め合う干渉を有する波長が反射され、スペクトル色として知覚される。 結晶温度の変化は、層間の間隔の変化、ひいては反射波長の変化をもたらす可能性がある。 したがって、サーモクロミック液晶の色は、温度に応じて、無反射(黒色)からスペクトル色を経て黒色まで連続的に変動することができる。 典型的には、高温状態は青紫色を反映し、低温状態は赤オレンジ色を反映する。 青色は赤色よりも短波長であるため、これは液晶状態を加熱することによって層間隔の距離が減少することを示している。

そのような物質のいくつかは、ノナン酸コレステリルまたはシアノビフェニルである。

3〜5℃の温度範囲および約17〜23℃〜約37〜40℃の範囲の混合物は、様々な割合のコレステリルオレイルカーボネート、ノナン酸コレステリルおよび安息香酸コレステリルから構成することができる。 例えば、65:25:10の質量比は17〜23℃の範囲をもたらし、30:60:10の範囲は37〜40℃の範囲をもたらす。

染料およびインクに使用される液晶は、しばしば懸濁液の形でマイクロカプセル化される。

液晶は、色の変化を正確に定義しなければならない用途に使用されます。 彼らは、室内、冷蔵庫、水族館、医療用の温度計、およびタンク内のプロパンのレベルの指標のアプリケーションを見つける。 サーモクロミッド液晶の普及した用途はムードリングである。

液晶は使用するのが難しく、特殊な印刷装置が必要です。 材料そのものは、代替技術よりも一般的に高価です。 高温、紫外線、化学薬品および/または溶剤は、寿命に悪影響を及ぼします。

ロイコ染料
サーモクロミック染料は、ロイコ染料と適切な他の化学物質との混合物に基づいており、温度に応じて(通常は無色ロイコ形と着色形態との間の)色の変化を示す。 染料は材料にはほとんど適用されません。 それらは通常混合物が内部に封止されたマイクロカプセルの形態である。 例示的な例は、クリスタルバイオレットラクトン、弱酸、およびドデカノールに溶解された解離性塩を含むマイクロカプセルが布地に適用されるハイパーカラー(Hypercolor)ファッションである。 溶媒が固体の場合にはラクトンロイコ型に存在し、溶媒が溶解すると塩が解離し、マイクロカプセル内のpHが低下し、色素がプロトン化し、ラクトン環が開き、その吸収スペクトルが大きくシフトするそれは深く紫色になります。 この場合、見かけのサーモクロミズムは実際にはハロークロミズムである。

最も一般的に使用される染料は、スピロラクトン、フルオラン、スピロピランおよびフルギドである。 酸は、ビスフェノールA、パラベン、1,2,3-トリアゾール誘導体、および4-ヒドロキシクマリンを含み、ロイコ形態とそのプロトン化された着色形態との間の色素分子を変化させるプロトン供与体として作用する。 より強い酸はその変化を不可逆的にする。

ロイコ染料は、液晶よりも正確な温度応答を有していない。 おおよその温度(「あまりにも涼しい」、「あまりにも暑い」、「約OK」)の一般指標、または様々な新規品目に適しています。 これらは、通常、他の顔料と組み合わせて使用​​され、ロイコ染料の非ロイコ型の色と組み合わせた顔料の色とベース顔料の色との間の色の変化を生じる。 有機ロイコ染料は、約-5°C〜60°C(140°F)の温度範囲で幅広い色があります。 色の変化は通常3℃(5.4°F)の間隔で起こります。

ロイコ染料は、温度反応の正確さが重要でない用途、例えば新規性、バスおもちゃ、フライングディスク、およびマイクロ波加熱食品のおよその温度インジケータで使用されます。 マイクロカプセル化は、広範囲の材料および製品においてそれらの使用を可能にする。 マイクロカプセルのサイズは、典型的には、3〜5μm(通常の顔料粒子の10倍を超える)の範囲であり、これは印刷および製造プロセスをいくらか調整する必要がある。

ロイコ染料の適用は、Duracellのバッテリー状態インジケーターにあります。 ロイコ染料の層を抵抗性ストリップ上に塗布してその加熱を示し、これによりバッテリが供給可能な電流の量を測定する。 ストリップは三角形状であり、その長さに沿って抵抗が変化し、それに流れる電流量に比例して長いセグメントが加熱されます。 ロイコ染料の閾値温度を超えるセグメントの長さが着色されます。

紫外線、溶剤および高温にさらされると、ロイコ染料の寿命が短くなります。 約200〜230℃(392〜446°F)以上の温度は、通常、ロイコ染料に不可逆的な損傷を引き起こす。 製造中にあるタイプの約250℃(482°F)への時間制限された曝露が許容される。

サーモクロミック塗料は、液晶またはロイコ染料技術を使用する。 一定量の光または熱を吸収した後、顔料の結晶または分子構造は、低温とは異なる波長で光を吸収および放出するように可逆的に変化する。 サーモクロミック塗料は、コーヒーマグのコーティングとして非常によく見られ、熱いコーヒーがマグカップに注がれると、サーモクロミック塗料は熱を吸収して着色または透明になり、マグカップの外観が変化する。

論文
サーモクロミック紙はサーマルプリンタに使用されます。 1つの例は、フルオラン染料とオクタデシルホスホン酸との固体混合物で含浸された紙である。 この混合物は固相で安定である; しかし、オクタデシルホスホン酸が溶融すると、染料は液相で化学反応を起こし、プロトン化された着色形態をとる。 この状態は、冷却プロセスが十分速ければ、マトリックスが再び凝固するときに保存される。 ロイコフォームは低温および固相でより安定であるため、サーモクロミックペーパーの記録は徐々に消えていく。 会計記録、サーマルプリンタからの領収書、税務監査と組み合わせて興味深い効果をもたらす可能性があります。

ポリマー
サーモクロミズムは、熱可塑性樹脂、デュロプラスチック、ゲルまたはあらゆる種類のコーティングに現れることがあります。 ポリマー自体、埋め込まれたサーモクロミック添加剤、またはポリマーと組み込まれた非サーモクロミック添加剤との相互作用によって構築された高次構造は、サーモクロミック効果の起源となり得る。 さらに、物理的な観点から、サーモクロミック効果の起源は多種多様であり得る。 したがって、温度による光の反射、吸収および/または散乱特性の変化から来ることができる。 適応ソーラープロテクションのための熱変色性ポリマーの応用は非常に興味深い。過去10年間で、非毒性熱変色性ポリマーの開発に適用されるような、設計戦略による機能が注目されている。

インク
サーモクロミックインクまたは染料は、1970年代に開発された温度に敏感な化合物であり、熱に曝されると一時的に色が変化する。 それらは、液晶とロイコ染料の2つの形態があります。 ロイコ染料は、使用するのが容易であり、より広い範囲の用途を可能にする。 これらのアプリケーションには、フラットな温度計、バッテリーテスター、衣類、メープルシロップのボトルのインジケーターがあり、シロップが暖かいと色が変わります。 体温計は、水槽の外面で使用されることが多く、額を介して体温を得るために使用されます。 Coors Lightは缶の上にサーモクロミックインクを使用し、缶が冷たいことを示すため白から青に変わります。

無機材料
実質的にすべての無機化合物はある程度まで熱変色性である。 しかし、ほとんどの例では微妙な色の変化しか伴わない。 例えば、二酸化チタンおよび酸化亜鉛は室温で白色であるが、加熱すると黄色に変化する。 同様に、酸化インジウム(III)は黄色であり、加熱すると黄色〜褐色に濃くなる。酸化鉛(II)は加熱時に同様の色変化を示す。 色の変化は、これらの物質の電子的性質(エネルギーレベル、個体群)の変化に関連している。

サーモクロミズムのより劇的な例は、相転移を起こすか、または可視領域付近の電荷移動バンドを示す材料において見出される。 例には

第一銅水銀ヨウ化物(Cu 2 HgI 4 )は67℃で相転移を起こし、低温で明るい赤色固体物質から高温で暗赤色固体に、赤紫色の中間状態に可逆的に変化する。 色は強く、Cu(I)-Hg(II)電荷移動錯体によって引き起こされるようである。

銀銀水銀沃化銀(Ag 2 HgI 4 )は、低温で黄色であり、47〜51℃を超える橙色であり、中間色の黄橙色の状態である。 色は濃く、Ag(I)-Hg(II)電荷移動錯体によって引き起こされるようである。

ヨウ化水銀(II)は、126℃で赤色アルファ相から淡黄色ベータ相への可逆相転移を受ける結晶性物質である。

ビス(ジメチルアンモニウム)テトラクロロニッケルメラートは約110℃で青くなるラズベリー赤色化合物である。 冷却すると、化合物は明るい黄色の準安定相となり、2〜3週間かけて元の赤色に戻る。 多くの他のテトラクロロニッケル酸塩も熱変色性である。
ビス(ジエチルアンモニウム)テトラクロロクプロレートは明るい緑色の固体物質であり、52-53℃で可逆的に黄色に変色する。 色の変化は、水素結合が緩和され、続いて、銅原子のd軌道の配置が適切に変化することにより、銅 – 塩素錯体の幾何学的形状が平面から変形した四面体に変化することによって引き起こされる。 安定した中間体がなく、結晶は緑色または黄色である。

酸化クロム(III):1:9の比の酸化アルミニウム(III)は、その結晶場の変化により、室温で赤色であり、400℃で灰色である。

二酸化バナジウムは、赤外線透過を遮断し、窓を通しての建物の内部熱損失を低減するための「スペクトル選択的」窓コーティングとして使用するために検討されている。 この材料は、低温では半導体のように振る舞い、より多くの透過を可能にし、より高い温度の導体のように、より大きな反射率を提供する。 透明導電相と反射性導電相との間の相変化は68℃で起こる。 材料に1.9%のタングステンをドープすると、転移温度が29℃に低下する。
他のサーモクロミック固体半導体材料には、

  • Cd x Zn 1-x S y Se 1-y (x   =   0.5-1、y   =   0.5-1)、
  • Zn x Cd y Hg 1-x-y O a S b Se c Te 1-a-b-c (x   =   0〜0.5、y   =   0.5-1、a   =   0-0.5、b  =   0.5-1、c   =   0〜0.5)、
  • Hg x Cd y Zn 1-x- y Sb Se 1-b (x = 0-1、y = 0-1、b = 0.5-1)。

いくつかのミネラルはサーモクロミックでもあります。 例えば、赤みがかった紫がかった一部のクロムに富むパイロップは、約80℃に加熱されると緑色になります。