北海道庁旧本庁舎、札幌市、日本

北海道庁旧本庁舎は、かつて北海道庁の本庁舎として建築された煉瓦造りの西洋館である。「旧道庁」や「道庁赤レンガ庁舎」、「赤レンガ」などと呼ばれ、親しまれている。重要文化財(1969年3月12日指定)。

館内は北海道開拓関係資料を展示・保存する北海道立文書館等として一般に公開されているが、一部は隣接する現道庁の会議室として現在でも使用されている。北海道(道庁)にとっての象徴的存在であり、広報番組などのタイトルにしばしば「赤レンガ」が用いられている。道庁前のイチョウの並木は大正14年、勅任技師名井九介の指導により植えられたものである。

概要
明治21年建築、ドームを載せたアメリカンネオバロック様式のれんが造りの北海道庁旧本庁舎は、昭和44年に国の重要文化財に指定されており、「赤れんが庁舎」と呼ばれ、親しまれています。
所在地 – 北海道札幌市中央区北3条西6丁目
竣工 – 1888年(明治21年)
重要文化財指定年 – 1969年(昭和44年)
設計 – 北海道庁土木課(平井晴二郎)
構造 – 煉瓦造 地上2階地下1階
デザイン – アメリカ風 ネオバロック様式

沿革
1888年(明治21年)- 赤れんが庁舎完成
1896年(明治29年)- 八角塔・換気筒撤去
1909年(明治42年)- 赤れんが庁舎火災
1911年(明治44年)- 赤れんが庁舎復旧工事完了
1924年(大正13年) – 赤れんが庁舎前の道路が近代舗装される(札幌で初めての近代舗装)
1967年(昭和42年)- 「開拓使札幌本庁本庁舎跡および旧北海道庁本庁舎」として国の史跡に指定
1968年(昭和43年)- 八角塔・換気筒などの復元工事完了
1969年(昭和44年)- 赤れんが庁舎が重要文化財に指定
2014年(平成26年) – 赤れんが庁舎前に江別産赤れんがを敷き詰めた歩行者専用スペース「札幌市北3条広場」(愛称・アカプラ)がオープン

施設
北海道立文書館(展示室、閲覧室、文書庫、事務室)
観光情報コーナー
北海道の歴史ギャラリー(北海道博物館)
樺太関係資料館
赤れんが北方領土館
記念室(旧北海道庁長官室)
会議室

コレクション
この「赤れんが庁舎」という呼称は、昭和43年11月の道の部長会議において決定されたもので、当時その他の案には、「北海道庁本館」、「旧北海道庁本庁舎」、「道政記念館」、「道政資料館」、「赤煉瓦庁舎」などがあったようです。

赤れんが庁舎内には、北海道開拓の歴史を題材とした20点の絵画があります。道庁赤れんが庁舎内には、本道出身の画家に委嘱し、制作された絵画を掲額しています。これらは、江戸時代末期から明治中期までの開拓に関する史実を題材にしています。

北海道立文書館
北海道立文書館は北海道の「北海道立文書館条例(1985年4月1日公布)」に基づき設置される公文書館であり、北海道(旧北海道庁、開拓使等を含む)に関する公文書や、私文書、または北海道の行政刊行物等を所蔵する。本館内には閲覧室の他、展示室も設置されており、訪れる観光客を対象に北海道開拓にまつわる貴重な史料を展示している。

概要
文書館は、1985(昭和60)年7月に北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)内に開館しました。北海道の公文書を中心とに、本道の歴史に関する文書、記録、その他の資料を収集し、保存するとともに、これらの資料を利用していただくことを目的としています。

当館が所蔵する資料は、道の諸活動を将来の道民に説明する責務を果たすとともに、本道の未来を考察するために必要な、歴史的事実の記録であり道民共有の知的資源です。

歴史資料が保存され、閲覧利用できる施設のことですが、狭義では、運営主体の組織の文書を、評価選別し、引継移管を受ける仕組みを備えたものをいいます。ただし、運営主体や成立経過などにより、対象となる資料の範囲は異なります。

北海道立文書館の場合は、北海道の組織アーカイブズとして北海道(及びその前身にあたる機関)の公文書を始め、それら以外の公的機関の文書や、北海道に関係のある私文書(民間所在/由来の文書)を所蔵しています(複製含む。)。

日本の国及び地方自治体のものは、「もんじょかん」の他に「ぶんしょかん」「公文書館」「史料館」「記録資料館」…などさまざまな名称があります。

資料のあらまし
当館の所蔵資料総数は約23万8千点です。その内訳は北海道の行政機関などの公文書約6万点、私文書約5万2千点、地誌・紀行・日記等の古記録、地図、写真、北海道史関係の図書など約12万6千点となっています(平成31年3月末現在)。

公文書
箱館奉行所文書などの幕府文書、開拓使文書、函館・札幌・根室県文書、北海道庁文書、樺太庁文書、北海道文書ほか

このうち、箱館奉行所文書の原本資料167点は平成16年6月8日に、開拓使文書の原本資料7,832点(箱館府文書を含む)は平成26年8月21日に、国の重要文化財に指定されました。

私文書
柳田家資料(根室の実業家・政治家 文政期以降)、金子元右衛門文書(福山の漁業・商業経営者 天保期以降)、北海道開進会社関連文書(移民会社 明治期以降)、本庄家文書(中・近世の武家、屯田兵) ほか

刊行物等
古記録(近世以降の写本、木版本)
北海道とその前身の機関の行政刊行物
北海道及び道内市町村の史誌、新聞、法令、辞書、地図、写真ほか