歴史の対話、北海道大学総合博物館

北海道大学は、明治9年(1876年)に札幌農学校として始まりました。東北帝国大学農科大学、北海道帝国大学を経て、昭和22年(1947年)から北海道大学となり、現在の組織体制が築かれました。ここでは札幌農学校以来の本学の歴史を展示しています。また受け継がれてきた通底する精神と、先人たちの偉業を紹介します。

北海道大学との対話、通底する精神
北海道大学との対話コーナーでは、北海道大学創立以来の歴史と現在の状況を、時間的・空間的な視点から一望できるコーナーです。通底する精神コーナーでは、札幌農学校時代より受け継がれるクラーク精神に関する展示が展開されます。

生き続ける札幌農学校精神
クラーク精神の継承において新渡戸稲造や内村鑑三、有島武郎、大島正建らの関わりについて紹介します。

リベラリズムからの出発
通底する精神コーナーの一部として、札幌に開花したピューリタニズムやヒューマニズム、そしてデモクラシーについて紹介します。

実学の精神
北海道開発のために農学校が設立されて以来、動物学や植物学,昆虫学、土壌学の教育が促進されました。札幌農学校とマサチューセッツ農科大学の間には多くの共通した教育コースがありましたが,札幌農学校には多様な文化教育を提供できるように人文社会系の教育コースが付加され,特に自然科学分野において有能な人物が多く輩出されました。ここでは当時の教育によって育った研究者のうち8人を取り上げて紹介しています。

ロフティーアンビションの系譜
札幌農学校時代の建学の精神である「フロンティア・スピリット」は、総合大学となった今日も生き続け、海外への広い視野を持った人材が数多く活躍しています。人類が抱える多くの困難や課題を克服するために、大学等の研究機関には世界への貢献がますます求められています。本学では、英知を集め人類の向かうべき真の豊かさを創出する研究が、海外の多くの研究機関との連携を通じて行われています。世界から高く評価された本学の業績を紹介することで、建学の精神を次の世代に伝えます。

北海道大学総合博物館
北海道大学総合博物館は、国立大学法人北海道大学が設置している博物館である。北海道大学には、130年以上前の札幌農学校時代から収集・保存・研究されてきた400万点にものぼる標本/資料が蓄積されています。その中には、新種の発見・認定の基礎となる貴重なタイプ標本が1万点以上含まれています。

北海道大学における博物館は、札幌農学校時代の1884年(明治17年)に、それまで開拓使が管理・運営していた植物園博物館を譲り受けたことにより発する。なお植物園博物館は現在、北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの管轄下に置かれており、総合博物館とは別組織となっている。

1999年春に開館した北海道大学総合博物館は、こうした北海道大学の多様な研究の伝統を今に伝えるとともに、最先端の研究をさまざまな実物資料や映像で展示・紹介しています。博物館にある「事」たちは、「言」つまり情報とセットになることで、歴史や未来を語ってくれます。

総合博物館は、札幌農学校の開校以来140年に渡る研究成果として生み出された学術標本を良好な状態で集約・管理し、学内外に情報を発信することを目的としている。